薬剤師向けの退職届の書き方とそのポイントとは?

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序文

退職するときは前もって上司にその旨を報告するのが一般的な退職の流れ。現在では、口頭で伝えて受理されるケースがほとんどであり、基本的に退職届けの提出が義務付けられている職場はありません。

しかし、「気持ち良く退社したい…」と考え退社届を提出する方もいます。

そこで本記事では、薬剤師向けに退職届の書き方を丁寧に解説していきます。

さらに

・退職時に返却、受け取るもの

・円満退職する際のポイント

もあわせて公開しているので、退職の準備をしている方はぜひご覧ください。

退職届を書く際の事前準備

まず退職届を書く際に必要なものを準備しましょう。

・郵便番号のない白無地の封筒(縦長)

・白い縦書き用のA4もしくはB5の便箋(罫線はOK、模様入りはNG)

・印鑑(朱肉を使って押印するタイプの印鑑)

・ペン(ボールペンもしくは万年筆。黒以外はNG)

上記のものが必要になってきます。

通常退職届は縦書きで書くのが慣例となっています。

横書きは絶対にダメというわけではないのですが、一般的ではありません。そのため、縦書きで書いたほうが無難です。

また、印鑑はシャチハタではなく朱肉を使って押すタイプを準備しましょう。

退職届の書き方

退職届を書くのに必要な項目はある程度決まっています。そのため、基本的にはその形に沿って書いていけばOKです。

一つずつ見ていきましょう。

①封筒に退職届と記載

白無地の封筒に退職届と記載します。文字は小さくしすぎず、中央に書くのがポイントです。

*先述したようにここでは縦長で白無地の封筒を使用しましょう。(必ず郵便番号の記載がないものを使用)

②封筒に所属と氏名を記載

封筒の裏面左下に所属と氏名を記載します。

③表題

1行目の中央に「退職届」と記載します。無地の場合は他の文字よりも大きく書くと全体のバランスが取れます。罫線がある場合は、他の文字と同じ大きさでも大丈夫です。

ちなみに身分が公務員の場合(国立病院など)は、「辞職願」となります。

④私事

本文の書き出しは「私事」ではじめます。

表題の次の行の「一番下」から書き始めます。自分のことを書いていくときに使用する言葉で、他にも「私こと」「私議」なども使用可能です。迷ったら「私事」と記載すれば間違いありません。

⑤退職理由

自己都合の退職に関しては詳細に書く必要はありません。

「このたび、一身上の都合により」と簡潔に書くだけで問題ないので安心しましょう。

⑥退職日

退職日を記載します。ここでの注意点は以下の2点です。

・あらかじめ上司と相談の上、退職日を決定しておく

・一ヶ月以上先の日付にする

円満退職を希望する場合、退職届けを提出する前に上司と相談することをおすすめします。

日付が上司に了承されたものを書くと、職場に迷惑がかかりにくく円満退職になりやすいでしょう。

⑦提出日

和暦を使用し、提出日を書きます。退職日の2週間以上前にすると問題が発生しにくいです。

⑧所属部署と氏名

退職する日付時点での所属部署と氏名を記載します。

このつぎに宛名を書きますが、宛名部分よりも下の位置に所属部署と氏名を記載するのがポイントです。

⑨印鑑

認印で大丈夫ですが、朱肉を使用するタイプが望ましいです。シャチハタは避けましょう。

⑩退職届の宛名

退職届の宛名は最高責任者(社長)の氏名を書くのが一般的です。たとえ、直属の上司に提出する場合でも最高責任者の氏名を書きましょう。

また、敬称は「殿」をつけ、会社名は正式名称にするのもポイントです。

退職時に返却・受け取るものとは

退職届を提出したら、退職の準備を具体的に進めていきます。自身の荷物を整理する必要があり、その過程で「会社に返却するもの」「会社から受け取るもの」を把握しなければいけません。

それぞれ解説していきます。

①会社に返却するもの

退職する際、会社に返却するものは以下のものです。

・社員証、名札、名刺

・健康保険証

・制服や白衣

・定期券(有効期間満了日までの差額)

・社内資料

会社から支給されているものは基本的に全て返却する必要があります。返却するものを確認するときは、自分のデスクやロッカーの中にあるものを「会社から支給されているもの」と「私物」に分けると整理しやすいですよ。ちなみに自宅に持ち帰っている社内書類についても返却しなければいけません。場合によっては社外秘の書類もあるので、後々問題にならないようにしっかり確認してみましょう。

制服や白衣はそのまま返却するのではなく、クリーニングに出してから返却するのが一般的です。自宅での洗濯では落ちない汚れもあるかもしれません。

他の方が着る可能性もあるので、できるだけ綺麗な状態で返すのが礼儀です。退職日も勤務する場合は、その日のうちに返すことができないので後日忘れないように注意しましょう。

最後に注意しなければいけないのが定期券です。定期券の有効期限が残っている中で退職をした場合、残っている日数分の交通費の返却を求められる場合があります。特に前もって交通費が支給されている場合は、交通費返還の規則を確認しなければいけません。交通費は勤務することを前提として支給されているので、退職する際に返さないといけないケースもあるのです。場合によっては大きな金額を返還しなければいけないこともあるため十分に注意しましょう。

②会社から受け取るもの

退職する際に会社から受け取るものは

・薬剤師免許

・年金手帳

・源泉徴収票

・雇用保険被保険証

・離職票

です。

離職票に関しては、退職者全てに発行をする、希望者だけに発行するなど会社によって対応は様々です。

そのため、離職票の発行希望する場合はあらかじめ自分から申し出たほうが良いでしょう。

離職票は会社ではなくハローワークが発行するものなので、手元に届くまで少し時間がかかります。基本的に会社を辞めて数日から2週間程度で届くことが多いようですね。ちなみに失業保険の申請をしない場合や、退職後すぐに転職が決まっている場合では離職票は必要ありません。また、転職先への提出もありません。そのため、不必要な方は事前に会社に伝えておくと親切です。

一方、雇用保険被保険証は退職する際に必ず会社から手渡されるもの。こちらに関しては転職先に提出が必要なので、なくさないように必ず保管しておきましょう。

雇用保険被保険証とは、雇用保険に加入していることを証明するための書類。転職経験がない方は書類自体を見たことがないかもしれません。なぜなら、雇用保険の加入手続は自分で行うものではなく、最初に就職した会社が行うものだからです。非常に大切な書類であるため、受け取ったら確実に失くさない場所にしまいましょう。

薬剤師免許や年金手帳は会社に預けていない場合は、受け取る必要はありません。預けているか忘れてしまった場合は会社に確認することをおすすめします。

円満退職する際のポイント

円満退職するためには勤務先に誠意を持って気持ちを伝える必要があります。

ここでは3つのポイントに分けて解説していきます。

①退職の申請時期

退職を伝える時期は非常に重要です。法的には退職後2週間前に伝えれば問題ありません。会社の規則に「3ヶ月前に退職する旨を伝えなければならない」と書かれていたとしても、2週間前に相談すれば退職できるのです。

しかし、実際に2週間前だと会社側も準備ができず業務に支障をきたしてしまうことも多く迷惑がかかってしまうケースがほとんどです。そのため、円満退社を望むのであれば最低でも1ヶ月前に退職の旨を伝えることが大切。できれば2〜3ヶ月前までに伝えるとより親切です。2〜3ヶ月前に伝えることで引き続きや新たな人員確保に必要な時間が得られ、あなたが退職する影響を最小限にすることができるでしょう。また、繁忙期を避けることも重要。周りのスタッフが忙しい中退職してしまうと、反感を買ってしまうこともあります。

なお、人によっては内定が決まったあとに勤務先へ退職の意志を伝えることもあるでしょう。転職をする際にはこれらのことも考慮しながらスケジュールを考えなくてはいけません。

内定が決まった場合、できるだけ早く次の職場で働きたい気持ちになってしまいますが現在の職場を円満退社することは転職先でも評価されます。

誠実に向き追うことが大切です。

②退職の伝え方

退職の旨を伝えるにはメールやLINEではなく、対面が一般的です。上司に相談し、対面で話す時間を設けてもらいましょう。

普段対面で話すことがない方は緊張してしまうかもしれませんが、退職時にしっかりとした対応をすることで円満退社に繋がりやすいです。

アポイントのとり方は「退職をしたいので…」と直接的にいうのではなく、「お伝えしたいことがありますので、◯月◯日の◯時からお時間頂戴できますでしょうか?」と伝えます。

実際に対面で伝える時は退職の旨をストレートに言っても大丈夫です。「◯◯という理由で退職を検討しています」と相談すればそのまま退職の手続きを進めてくれるでしょう。

その際に退職を引き止められるかもしれませんが、強い意志を持つことが大切です。会社側も一人の人材を失うのは辛いですが、退職する意志は固いということを示さなくてはいけません。

また、どうしても時間が取れない場合や本社までの距離が遠く対面で伝えるのが難しい場合は電話連絡も可能です。

同様に時間をとってもらい電話口で退職の旨を伝えるようにしましょう。

繰り返しになりますが、退職希望を相談するときは対面もしくは電話が望ましく、メールやLINEでは礼儀を欠いてしまうことがあります。

緊張するかもしれませんが、いままでお世話になった職場だからこそ自分の口から言葉して伝えるよう心がけましょう。

③退職理由について

退職届には「一身上の都合により」と細かな理由を書かなくても大丈夫ですが、上司に伝えるときは退職理由を述べなくてはいけません。

退職を考える理由は人それぞれで、なにかしらの不満を抱えているケースもありますよね。

例えば以下のような不満です。

・人間関係が悪く、現在の環境に身を置きたくない

・給料は低く、もっと待遇の良い職場に行きたい

・学べることが少なく、キャリアアップをしたい

・勤務時間が長いため、体力的につらい

・上司に恵まれず、ひどい扱いを受けている

などなど。

しかし、上司に退職の旨を伝えるときはこのような不満を言わないほうがスムーズに手続きが進むことが多いです。

不満を伝えてしまうと「不満を解消すれば残ってもらえる」と、考えてしまうこともあり強い引き止めにあってしまうかもしれません。

また、不満ではなくポジティブな意見を伝えた方が円満退社できる可能性が高くなります。

ポジティブな意見とは、

・「もっと多くの症例に触れて自分のキャリアアップに繋げたい」

・「子供の将来を考えて、給与の良い別の職場にチャレンジしてみる」

などです。

このような表現なら嘘をついているわけでもありませんし、現在の職場のことを否定しているわけでもありません。

このように言葉の表現を変えるだけで、円満退社に繋がり気持ちよく退職することができるでしょう。

本心をそのまま伝えてしまうと険悪な空気になることもあるため、少し表現を変えながら言うのがポイントですよ。

まとめ

薬剤師が退職する際には退職届けを出さなければいけないという決まりはありません。しかし、形をしっかりしたいと希望する場合、退職届を提出しても良いでしょう。

しかし、急に退職届を出してしまうと、会社側も困惑してしまいます。

退職届を提出する際は上司との相談の上、退職日が決定してから出すようにすると円満退社に繋がりやすいです。

本記事に書いてある内容を参考にしながら退職届を書いてみましょう。

また、ヤクマッチでは薬剤師の転職に特化しているだけでなく、薬剤師免許を持ったスタッフも多数在籍しているため、あなたにあった職場探しをしっかりとサポートすることができます。

転職を考えている方はぜひ、お問い合わせください。

キャリアアドバイザー 三枝

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