武田薬品 シャイアー巨額買収の狙い
2018-05-14
武田薬品が、オーファンドラッグ(希少疾患治療薬)に強みを持つシャイアーを、約7兆円で買収することが決定しました。日本企業による海外企業の買収としては、ソフトバンクグループが、イギリスの半導体開発会社、ARMホールディングスを約3兆3000億円で買収したケースを上回り、過去最高額となります。両社の売上高の合計は3兆円を超え、世界で上位10社に入る巨大製薬会社が誕生しました。
目次
巨額買収の狙い
シャイアーはアメリカを中心に100か国以上で薬を販売し、患者の数が少ない希少疾患の薬に強みを持つ企業です。武田薬品としては、今回の買収によってアメリカでの事業を拡大するとともに、消化器や神経に関係する病気の治療薬の分野を強化する狙いがあります。
米国での競争力強化
買収に関しては両社で合意済みで、2019年の6月までに手続きはほぼ完全に終了する予定です。武田は、シャイアーの買収を検討する声明を3月に出し、その後5回ほど買収の協議を重ね、合意にこぎつけました。
シャイアーを買収することで、収益率の良い希少疾患治療薬の分野で製薬業界最大手企業として地位を確立でき、製薬市場で最も力を持つ米国に対して存在感を発揮できると武田は踏みました。両社の売り上げを合計すると、世界の製薬企業の中でトップ9の、3兆4千億円に上ります。武田薬品社長のクリストフ・ウェバー氏は、より競争力を高めることをあくまで重要視しており、希少疾患薬最大手として、世界、そして米国に対しプレゼンスの強化を図っていく考えです。
武田は5月9日までに、ロンドン証券取引所の規則に従い、シャイアーの買収に関する意思を明らかにすることになっていました。それに伴い、シャイアーが上場しているロンドン証取での上場は廃止となります。
キャリアアドバイザー 秋葉
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