薬剤師の転職未経験の方必見!未経験でも転職を成功させるために

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序文

薬剤師は資格職であることから、ライフイベントやスキルアップのために転職を複数回行う方も多くいます。しかし初めて転職をされる方は、どのように動いたら良いのか分からないことも多く不安ですよね。

この記事では、初めての転職を考えている薬剤師向けに、転職活動のイロハや実際の事例をご紹介していきます。

薬剤師の転職事情、未経験の方が抑えるべきポイントに関して

初めての転職に挑戦する薬剤師の皆さん、転職活動がどのようなものか分からない中で、なにを重視すればよいか、悩むところだと思います。そこで薬剤師の転職において大切なポイントを3つご紹介したいと思います。

① 調剤経験の有無

薬剤師の転職で一番重要となるのが「調剤経験の有無」です。一定年数の調剤経験をお持ちの方は、多少贅沢に転職先を選ぶことができそうです。逆に調剤の経験が一切ない方は、未経験でも応募可能な求人を一つ一つ探してみましょう。今後は薬剤師が飽和していく時代、調剤経験の有無は重要になってきます。

特に都市部では既に飽和の傾向にあると言えるでしょう。人気のエリアや給与が良い、休みが多い、といった人気の求人は求職者が集まりやすく、倍率も高いため、根気強く転職活動に取り組む必要があるかもしれません。

② 働きたい場所

薬剤師として働く方々にとって、「働く場所」は職場選びの大切な要素の一つではないでしょうか。「自宅から通えるところ」「東京都で働きたい」など、様々だと思います。

やはり人気のエリアには多くの求職者が集まる傾向があります。例えば首都圏、人口流入の多い地域、アクセスのよい場所などです。人気のエリアの求人は必然的に倍率が上がるので、相応の能力や転職活動にかける時間が必要になります。

③ 優先順位をつける

仕事を見つけようとすると、様々な条件が出てきますよね。「お給料を上げたい」「人間関係が良い職場がいい」「土日休みがいい」「都心で働きたい」・・・。ただ残念ながら、自分の希望条件に全てが合致する職場はほとんどと言っていいほどありません。

ではどうすれば良いのでしょう?初めて転職する方は、まずご自身の希望条件を書き出してみましょう。そして、自分自身の価値観に沿って優先順位を付けていきます。そうすることで自分に合った職場を見つけやすくなるでしょう。

転職未経験が注意すべきこと

薬剤師は転職の多い業界で、かつ新卒の採用は他業界と比べて圧倒的に労力がかからないという背景のもと、転職活動を甘く考えている方が多い現状があります。そこで初めての転職を検討している薬剤師の皆さんに知っておいてほしい注意点を、ご紹介していきます。

① 転職理由が曖昧なまま転職活動を行わない

今の職場に満足できず、“なんとなく”で転職を考えている方はいませんか?いくら売り手市場だからといってしっかりした理由もないままに、ただ漠然と転職活動を行うと、自分の理想の会社に就職することは難しくなります。例えば「薬局」と一言で言っても、地域密着型、大型門前、体育会系の雰囲気、おっとり系の雰囲気など、仕事内容や労働環境は多岐に渡ります。「何を求めて転職するのか?」を突き詰めて考え、ぜひ自分の理想に近い会社を見つけるようにすると良いでしょう。

② しっかり準備してから選考を受ける

初めて転職活動を行う方は、新卒の時と同じ感覚で「面接に行けば受かるだろう」という軽い気持ちをもってはいませんか?現状、新卒よりも転職の方がハードルはずっと上がります。キャリア採用ということで、会社側には「どんなキャリアの人材が自社に必要か」という指標を設けています。ライバルの求職者がいる場合はその視点で比較検討されることになるでしょう。ですから自分自身のキャリアを見つめ直し、どのようなスキルで転職先に貢献できるのか、ということをしっかりとアピールしていく必要があるのです。新卒の時よりも力を入れて選考の準備をする必要があります。

薬剤師の転職先でメインとなる業種に関して

薬剤師の方が転職する場合にメインとなる転職先はどのようなものがあるのでしょうか。

メインとなる転職先には「調剤薬局」「ドラッグストア」「病院」「製薬会社」の4種類があります。それぞれに特徴があり、働き方から年収、勤務時間にいたるまで大きく異なります。もちろん転職のしやすさも異なります。この記事では、各転職先の転職のしやすさについて記載していきます。

① 調剤薬局

調剤薬局は人手不足の薬局も多く、求人は多い傾向にあります。

高齢化が進む地方や、交通アクセスがあまりよくないエリアでは特に薬剤師が不足しています。

② ドラッグストア

ドラッグストアは求人が多く、採用人数も多い傾向にあります。

大手ドラッグストアには、全国展開を行っている会社も多く、店舗数の増加に比例して、薬剤師の求人の数も全国的に増えています。

③ 病院

病院は求人こそ出ているものの、募集人数は限定されており、難易度は高い傾向にあります。

ある程度の臨床経験が求められる場合もあり、採用は経験値で左右される部分が大きいです。

④ 製薬会社

製薬会社は求人数も少ない上、人気も高いため難しい傾向にあります。

研究職や開発職で数名、採用人数の多いMR職でも数十名と求人数がきわめて少なく、狭き門といえるでしょう。

未経験転職がしやすい職場、しにくい職場

一つ前の記事では、おおまかに「調剤薬局」「ドラッグストア」「病院」「製薬会社」の4つの職種の転職のしやすさについて紹介しました。次に、この4つの職種の特徴について紹介していきたいと思います。

① 調剤薬局

調剤薬局は比較的に転職しやすいといえるでしょう。

調剤薬局では患者さんから処方箋を受け取り、調剤、服薬指導、薬歴記載といった業務がメインになります。近年では、地域医療に参画することが求められており、かかりつけ薬剤師としての業務も増えてきています。今後、在宅医療なども増え、業務が多様化していくことが考えられます。また、薬局は柔軟な働き方ができることも特徴の一つです。正社員やパート、アルバイトと働き方も様々であり、転職先によっては勤務条件や年収に関しても交渉ができる可能性があるといった特徴もあります。

② ドラッグストア

ドラッグストアも比較的転職しやすい職場といえます。

ドラッグストアが調剤薬局と大きく異なる点は、ドラッグストアは調剤だけでなく、OTC医薬品も扱う点です。一部のドラッグストアでは保険調剤を取り扱っている店舗もありますが、多くの店舗はOTC医薬品の販売業務がメインとなるのが特徴です。要指導医薬品や第一類医薬品の拡大に伴い、薬剤師の活躍の幅が広がっています。ドラッグストアでは、医薬品の販売以外にも商品の陳列や品出し、レジ打ちも行う必要があるのも特徴です。また、その他の特徴として、24時間営業や土日営業の店舗が多く、シフトが不規則になることも挙げられます。

③ 病院

病院は募集人数が少なく、転職の難易度は比較的高めです。

病院は医療の最前線であり、業務量も多く、責任が重大な面もありますが、チーム医療の一員としてキャリアアップを目指すことができます。チーム医療では医師や看護師といった他職種と連携しながら業務をこなすことになるため、コミュニケーション能力や、疾患の特徴やガイドライン、レジメンなどの幅広い知識が必要になります。医療従事者として様々な知識や経験を積むことができますが、他の職種と比べると年収がやや低い傾向にあることや、夜勤や休日出勤など不規則な働き方が求められることもあります。

④ 製薬会社

製薬会社は求人数が少ない上、人気もあるため転職の難易度は高いといえます。

一言で製薬会社といってもMR職や研究職、開発職など働き方は多岐にわたります。薬剤師の免許を持っていても、部署によって仕事内容が大きく異なることが特徴です。製薬会社での勤務は、最先端で高度な医療に関わることが多いため、高い専門知識が求められます。また、薬剤師の仕事の中でも、製薬会社で働くと高収入が得られる場合が多く、福利厚生も充実しているのが特徴です。  

薬剤師の転職、狙い目パターンに関して

次に薬剤師の転職について、具体例とともに紹介していきたいと思います。

経験者が有利なことに間違いないですが、未経験だからといって諦める必要はありません。

① 調剤薬局から病院へ転職する場合

まず紹介するのは、調剤薬局での経験を活かして、病院に転職する場合です。

調剤薬局での主な業務は、調剤業務・服薬指導・患者さんの体調や健康に対するアドバイスを行うことなどが中心となります。一方で、病院においては病院薬剤師として調剤業務が中心であることは共通していますが、製剤業務や注射薬混合調整業務などの業務に携わることになります。中には、化学療法室で患者さんの抗がん剤治療の計画書を確認したり、抗がん剤治療を行う上での注意点や副作用の説明と確認を行ったり、処方の提案の仕事を任される場合もあります。このように業務の幅は広がりますが、あくまで調剤業務が中心となることに変わりはありません。

調剤薬局から病院へ転職する人の多くは、医療人として、やりがいのある仕事をしたいと思っています。未経験からの転職では、慢性期病院の求人が多いのは事実ですが、急性期病院の求人がないわけではありません。未経験であることを補うだけの熱意を持ち、命を左右する現場で働くという責任感を持って転職活動に臨みましょう。

② 病院から調剤薬局・ドラッグストアへ転職する場合

次に紹介するのは、大学病院や総合病院などから、調剤薬局やドラッグストアに転職する場合です。

調剤業務や服薬指導などの調剤薬局やドラッグストアで活かす経験を含めて、幅広い業務に携わってきた病院薬剤師は、即戦力として活躍が期待されます。近年では在宅医療も進んでいるため、注射業務などの期待も持たれています。

病院と調剤薬局・ドラッグストアの業務で大きく異なるのが、接客業務の有無です。病院で働いていても、医師や看護師などの医療従事者や、患者さんとコミュニケーションをとりながら仕事を進めますが、調剤薬局・ドラッグストアの「接客」とは大きく異なります。サービス業であることを認識し、また来たいと思ってもらえる対応を心がけましょう。ドラッグストアでは、OTC医薬品やサプリメントなどの知識も積極的に学ぶ姿勢も大切です。

③ 調剤薬局から医薬品関連企業へ転職する場合

次に調剤薬局から製薬企業に転職する場合について紹介していきたいと思います。製薬会社の中でも研究職や開発職は新卒採用で十分な人数がいるため、中途採用で行われる場合はすぐに現場で活躍できる人材にターゲットを絞っていることがほとんどです。そのため、調剤薬局から製薬企業に転職する場合は、研究職や開発職以外で考えた方がいいでしょう。

未経験でも中途採用されることのある職種として、薬の情報を収集し伝えるDI担当やCRA(臨床開発モニター)やCRC(治験コーディネーター)、MRが挙げられます。CRAやCRCには、リーダーシップやコミュニケーション能力が求められます。特に、調剤薬局で役職に就いていて部下を持ち、マネジメント経験がある人や英語力がある人はより採用されやすい傾向にあります。

④ 薬剤師免許は所持しているが、薬剤師として働いた経験がない場合

最後に、薬剤師免許の資格は持っているが、薬剤師として働いた経験がない場合について紹介します。薬剤師免許を取ってすぐに家庭の事情などで働けなかったり、別の仕事をしていたりして、資格はあるものの実務経験がないという人も一定数いらっしゃると思います。この場合、若手なら求人も多いことがありますが、最初から正社員として転職することは簡単ではありません。まずは、パートやアルバイトで徐々に経験を積み、正社員になることを目指してステップアップしていくことを考えましょう。大切なのは現場を経験することです。諦めずに経験を積み、自分の能力を磨いていきましょう。

転職未経験の方が成功するためのポイント

初めての転職活動に挑戦している方も、転職を成功させたいですよね。

そこで転職未経験の薬剤師の方が転職活動を成功させるために重要なポイントを、厳選してお伝えしたいと思います。

① キャリアプランを考える

転職とは、単に職場環境を変えるための手段ではありません。転職を通してどのような人生を実現したいのか、ということをしっかり考えることは転職活動においてとても重要な要素になります。

そこでまず、あなたが今後どのようなキャリアプランを築きたいのか、考えてみましょう。ご自身のライフプランや実現したいキャリアパスを想定して、「理想に近づくための転職」を目指しましょう。

キャリアプランをしっかり考えておくことで、選考の際に重要な転職理由や志望動機がより具体的になり、面接官に対してよりしっかりした印象を与えることができるでしょう。

② 慎重に会社を選ぶ

単にお給料を上げたい、休みがもっとほしい、などの要素で就職先を探していると、自分に合った求人には巡り合えないかもしれません。お給料だけ高ければ労働環境はどうでもいい、などという人はあまりいなのではないでしょうか。薬剤師の職場は責任感が求められる忙しい現場が多いです。安易に選んでしまうと“ブラックな求人”を引き当ててしまう確率も上がります。自分の価値観に沿った求人を見つけるためにも、ご自身の価値観とスキルをしっかり整理し、能力に見合った仕事を探すようにしましょう。

しかし、市場価値を見極めて求人を探す、というのを一個人で行うにはかなり難易度が高いと思います。ぜひ専門のコンサルタントを頼ってみてはいかがでしょうか。

③ しっかり準備をする

キャリア採用では、新卒採用と比べて個人の持っている能力が重要になります。“即戦力”を求められているからです。「持っているスキルを転職先でどのように活かせるのか」これをしっかり伝えていくことが大切となります。

これから転職をするという方、一度ご自身の今までのキャリアを見直し、能力、スキルをまとめる作業を必ず行いましょう。そしてそれを伝えるための履歴書、職務経歴書、面接の準備を行うと良いでしょう。

まとめ

初めての転職に挑戦する薬剤師の皆さん、この記事をご覧になってみていかがだったでしょうか。薬剤師は労働環境や人間関係に悩む方が多い分、漠然と転職を視野に入れている、という方も多いと思います。しかし、売り手市場だからといって転職を簡単に考えていると、職場環境の改善どころか転職を繰り返すことになりかねません。精神的な苦痛や生涯年収の減少にもつながります。ですから“転職は人生の大きなイベントの一つ”ととらえ、真剣に検討・準備を行うことをおすすめしたいと思います。

専門のコンサルタントは様々な会社の実際の現場の情報をもっており、転職の流れや準備に関するプロです。無料で相談することができるので、活用することをぜひおすすめします。

キャリアアドバイザー 吉田

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