薬剤師の転職回数は、影響するの?多いと不利?専門家が実情を隠さずお伝えします
目次
序文
薬剤師では、他の業界に比べ転職を考えている人や転職を繰り返す人が多数います。
ですが、転職回数が重なると不利になり転職しづらくなることが現状です。
この記事では一般的な転職回数や不利にならない転職回数など上手に転職をしていくコツを解説していきたいと思います。
薬剤師の一般的な転職回数
周囲と比較して自分の転職回数が多すぎないか、不安を感じることはないでしょうか。
一般的な転職回数や理由を年齢別や業種別にして見ていきましょう。
職場 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 |
調剤薬局 | 1~2回 | 2~3回 | 3~4回 | 4~5回 |
ドラックストア | 1~2回 | 2~3回 | 3~4回 | 4~5回 |
企業 | 1回 | 1回 | 1~2回 | 1~2回 |
一般的に薬剤師全体での転職回数は2回以上する人が多いです。
では、なぜ転職してしまうのでしょうか。
まずは、業種別に分けて理由を確かめていきましょう。
■病院
①「年収が低い」、「病院薬剤師として勤務しているが、年収が低く生活が苦しい」
病院薬剤師は他の業種に比べると、低めの年収が設定される傾向にあります。初めはやりたい仕事であるため入社して、仕事に満足をしていても生活が苦しくなってしまい、現状の給料に不満をもち、より高い給与を求めてドラッグストアや調剤薬局に転職を考える人が多いです。
■調剤薬局
①「最初に聞いていた条件と違う」
説明会で聞いていた話や当初確認していた内容と異なっていることが多く辞めてしまうケースが多いです。
②「職場の人間関係が上手くいかない」
薬剤師の多くは、人間関係に悩むことが多いです。
慣れない業務のなかで、さらに人付き合いのストレスがかかってしまうことで、転職を考える大きなきっかけとなります。
③「出世のためのステップとして」
転職を機に、管理薬剤師になる方が多く、前の職場では役職のポストに空きがないことより、出世をするために転職をする方がいます。
管理職(管理薬剤師、エリアマネージャーなど)を含め、マネジメントを行う側としての転職を考え、上のポストへ転職し、その分だけ年収も高めに設定することを考えます。
またハイキャリアを目指す場合の人には下記の様な悩みを持っている人が多いです。
・同族経営で上に空きがなく、昇進することができない
・人員不足のため、現場から離れられないので本社勤務などができない
■ドラックストア
①「年収だけで職場を決めてしまい、やりがいが感じられない」
勤務条件だけを見て年収の高い職場を選んだものの、勤務を始めてから品出しやレジ打ちなどの業務も多くあり、仕事内容に不満を持つことも多くあります。薬剤師としての働き方が少なく、やりがいが感じられないと気付く場合があります。
②「スキルアップの手段として」
勤めている薬局の仕事が楽だけど扱う調剤が少なく勉強にならないと不満な薬剤師がいます。
こういう方はもっと勉強したくて調剤薬局チェーンなど転職する場合もあります。
また、現在身につけているスキルとは違うスキルを手に入れたいという思いで転職する人もいます。
自分がどういったスキルアップをしたいかによっても変わってきます
■企業
①「やりがいの減少」
企業で多い転職理由としてはやりがいの減少が挙げられます。
例えば、MRだと規制が厳しくなり添付文書の内容しか説明できず、CROでもIT化が進み仕事が減っていきやりたいことができないなどの不満があります。
他にも下記のような理由があります。
・働き方や転勤への不安
・家族との時間を増やしたい
・さらなるスキルアップがしたい
・子育てや結婚によりハードワークが厳しくなった
・薬剤師として働けなくなることへの不安
転職が不利になる転職回数は3回目?
次に、転職が不利になってくる回数について記載したいと思います。
採用にはコストがかかるため、企業側は書類審査や面接などで、その人が長期的に働いてくれるのかを見極めます。その際にあまりにも転職した回数が多いと、企業側も「この人を雇ってもまたすぐに辞めてしまうのではないか」、「仕事のやり方に問題があるのではないか」といった先入観で見られてしまう可能性もあります。
また、キャリアに一貫性がないと、自身の待遇に悪影響を及ぼしてしまう可能性も出てきます。転職を繰り返すことによって、スキルが蓄積されず、年収が上がりにくくなる場合があり、さらに退職金を積み立てる期間も短くなるため、生涯年収が下がるといったデメリットもあります。
実際にむやみに転職を繰り返すと、長期的な就業ができないと判断され、不採用になる方もいらっしゃいます。
それでは、ここからは具体的に何回以上転職をしていると選考に影響が出るのかを見ていきましょう。
まず、全国の20代から60代の薬剤師の平均転職回数は1.96回です。転職回数は年齢や職場、性別などによっても異なります。そのため、1.96回以上に転職をしていたとしても必ずしも転職回数が多いということにはなりません。しかし、若い20代のうちに転職回数が3回を超えてくると、ネガティブな印象を与えてしまうかもしれません。
ここまで転職の回数について記載してきましたが、次に転職の理由についてどのような理由だと転職の際に不利になるかを見ていきましょう。
転職回数が同じ3回だった場合、その3回の転職すべてが自身の都合で転職を繰り返してきた薬剤師と、会社の都合でやむをえない転職をしてきた薬剤師とでは、やはり自己都合での退職が多い方が不利になります。
たとえ、自己都合による転職だったとしても、「やむを得なかった」と言えるだけの転職理由があれば、その1回は採用担当者や経営者の中ではカウントされない場合があります。実質的な転職回数、不利に判断されてしまう転職回数を減らしていくという考え方が重要になります。
特に、転職理由がやむを得ない事情だと思ってもらいやすいのは、結婚・出産・子育て・子供の進学・親の介護などのライフイベントです。女性はもちろんですが、男性であっても、給料が安いから転職したい、仕事がイヤで転職したいなどのネガティブな転職理由を並べるのとでは印象が全く異なります。
仮にこのような理由で転職したいと思っても、ポジティブな理由に言い換えることが大切です。また、人間関係を転職理由にするのは避けた方が無難でしょう。このような事を踏まえて転職を考えていきましょう。
転職回数が問題にならないケース
では、転職回数が問題とならないのは、大体何回までなのでしょうか。
一般的には転職回数が多すぎては、条件が合っても転職先が受け入れてくれない場合も多いです。
しかし、転職回数が多くても理由によっては問題にならないケースもあります。
では、その理由とは何か、男女に分けて解説していきます。
女性の場合
女性は産休・育休、旦那さんの転勤などのライフイベントが理由でしたら、転職回数が増えてしまっていてもそこまで問題にならないケースが多いと言われています。
自身の問題というよりは仕方なく転職をしているので、問題になっても困りますもんね。
たとえライフイベントが理由でも転職回数があまりにも多かったら不自然なので、回数も気にするようにしましょう。
具体的には、20代では2回、30代では4回、40代以上で5回くらいであれば問題にならないと言えるでしょう。
3年以内に辞めてしまう回数が多ければ、長く勤めてくれないイメージがどうしても付いてきます。ライフイベントに合わせた転職時期を意識しましょう。
男性の場合
男性は女性と比較すると、ライフイベントによる転職が多いと問題になってしまうのが現状です。
ですが、大きく分けて以下の3つのパターンであれば、あまり問題にならないと言われます。
①年収への不満
「年収に不満があって転職をする」という薬剤師は少なくありません。具体的には役職が上がっても年収が上がらない事が理由で転職する方が多いでしょう。
現状、薬剤師は売り手市場の状況がまだ続いており、一般的に考えて役職に対して年収が低い等の理由で転職回数が増えているのであれば、転職時に給与交渉が上手く進む可能性も高く、問題にもなりにくいとされています。
②スキルアップできる環境で働きたい
スキルアップやキャリアアップを求めて転職する場合は特に問題にならないケースが多いです。
例えば、エリアマネージャーや本社スタッフの経験をしたなどのキャリアを積んできた場合には、
「他のキャリアアップを目指したい」「現状の会社に将来性を感じない」
などの理由で転職する分にはある程度は問題ないです。
大手になればなるほど管理職のポストが空かずにキャリアアップが出来ない事が現状としてあります。
いつまでもキャリアアップが出来ずに今の会社にいるのも避けたいですよね。
上記の場合で将来のキャリアのイメージが固まっているときには半年から1年かけて転職先を探されることをオススメします。
③転居など外的要因
「家を買った」「親と同居する」など、引越しの理由はさまざまです。しかし、引越しに伴ってより通いやすい場所にある会社へ転職したいと考えるのは、ごく当たり前の事なので転職が問題にならないケースが多いです。
しかし、やはり男性の場合は転職回数などが多くなればなるほど明確な理由があっても転職活動は難航してしまい、給与交渉がしづらくなります。
ですが、転職回数が増えすぎると最悪は次の職場が見つからない事もあります。
そこで転職回数が増えた場合には以下の点にも気をつけておくと転職できる確率が上がります。
・履歴書と職務経歴書には正確な情報を書く
・面接で転職回数が不利にならない回答をする
・前職の不満や悪口は言わない
・身に付けてきたスキルを伝える
・職歴に一貫性のある理由付けをしておく
こういった事に注意をしながら、転職回数や転職理由を考えていくことが重要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
転職は回数や理由によって難易度が変わります。
しかし、コツをしっかり押さえれば成功する可能性は十分に上がります!
また、男性も女性も昇給や出世を望むのであれば、転職回数は最低限に抑えて安易な転職をしない事をオススメします!
ただし、芯の通った理由での転職はマイナスではないので、そこはご自身やご家族と相談してよく検討してください。
ヤクマッチには、薬剤師免許を持った社員が複数在籍しており、リアルな情報を伝える事であなたの転職をサポートします!
転職回数が多くなった時でも転職が有利になる理由を一緒に考えていき、転職後はさらに目標を持って長期間続けられる働きやすい環境やあなたに合った職場を探す事が出来ますので、ぜひ一度ご相談下さい!
キャリアアドバイザー 加藤
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