医療団体が抗議 TBSで放送された医療ドラマの問題点

2018-05-28

4月22日よりTBSで放送された医療ドラマに対し、医療団体からの抗議が相次いでいます。作中の「治験コーディネーター」の描き方が現実とかけ離れているとのことです。

治験コーディネーターとは

新しい医薬品が広く一般に使われるようになるには、その薬の効果と安全性を詳しく調べる必要があります。
厚生労働省から承認を受けるために、人に対する効果や安全性を確認する試験のことを「治験」と呼びます。

治験コーディネーターは、治験を行う病院において、治験依頼者(製薬会社)、医師、スタッフ、被験者(患者)との間を調整する役割を担います。その業務は多岐にわたり、業務フローの作成、被験者への同意説明、症例報告書の作成補助などを行います。なお、正式には「臨床研究コーディネーター(CRC)」と呼びます。

日本臨床薬理学会が抗議

日本臨床薬理学会が5月7日付でTBSテレビに送付した見解では、治験コーディネーターの立ち位置と負担軽減費に関して現実と乖離した描写があるとしています。治験コーディネーターが医療機関側の人間ではなく、治験を依頼した企業側の人間として描かれており、患者のサポートをする職種であることが正しく認識されていないとのことです。また、治験コーディネーターが治験参加前の患者に300万円の小切手を手渡すシーンが放送されたことに対して、負担軽減費は1回の来院あたり7000~8000円がほとんどで、多額の負担軽減費で患者を治験に誘導することは厳に戒められていると指摘しています。

なお、TBSテレビとしては、「ドラマの演出上、登場人物の行動は、治験コーディネーターの本来の業務とは異なるものも含まれています。」としています。

抗議の声は他団体からも

日本臨床薬理学会に続いて、日本医療機器産業連合会も5月21日にHP上で声明を発表しました。声明では、本人の同意なしで治験が行われる、多額の負担軽減費が支払われる、手術中に治験機器が設計変更されるといったことはあり得ないと指摘されています。治験を受けるか悩んでいる患者や、治験を受けている患者が、医師や治験コーディネーター、治験に対して疑念や不信感を抱かれる可能性があるとしています。

ドラマをより魅力的に見せるためであっても、視聴者に誤解を与えるような、あまりにも現実とかけ離れた演出はすべきではありません。特に、デリケートな題材が多い医療ドラマではなおさらでしょう。

登録完了まで1分 無料で会員登録する