薬剤師の転職理由!プロが勧める、転職すべき内容は?
目次
序文
皆さんは薬剤師の転職率・離職率が高いということをご存知でしょうか?国家資格という安心感から転職ありきで就職先を決める方が多かったり、環境の変化や職場への不満が原因で転職したりと、その理由や背景は多岐に渡ります。
当サイトでは、薬剤師が転職に至るまでの理由や背景をランキング形式でご紹介・解説していきます。
転職理由ランキング
第1位:人間関係
→薬剤師は狭い空間で働くため、職場の人と性格や雰囲気が合わないというり理由で辞める方が多くいます。また、上司からの強い圧力や方向性、考え方の違いから、転職を選ぶ方も多い傾向にあります。
第2位:年収が上がらない
→昇給率の悪い会社では、年収が頭打ちになりやすく、収入を増やすために転職をする方が多い傾向があります。また仕事量と年収が見合っておらず、他の会社なら同じ仕事量で年収が上がると感じている人も多いようです。
第3位:勤務する場所が遠い・通勤に時間がかかる
→異動によって通勤時間が極端に増えるケースは意外に多くあります。その場合もっと近場で働ける場所を求めて転職することがあります。また職業柄から遠隔地への転勤やヘルプが多く、一つの場所で安定して働けないことや慣れない場所への長距離の通勤が困り転職を考える人も多くいます。
第4位:スキルアップしたい
→すべての業務がルーティーンワークになってしまいスキルアップが見込めないという理由があります。また、キャリアアップしたくてもポストが詰まっているケースも多く、ポストを求めて転職する方が中堅層では特に増えています。
第5位:労働環境が悪い
→残業が多い、休みが少ない、過度に忙しい、など労働に見合った対価が貰えないなどの訴えはよく寄せられます。特にサービス残業や説明会などでは言われていなかった業務などが現場で起こっている事も原因の一つとなります。
第6位:ライフスタイルの変化
→病気や親の介護、結婚、出産などを機に、新しいライフスタイルに合った勤務体系や勤務地を求めて転職する方がいます。仕事とプライベートの両立を実現しやすいことは資格職の最大のメリットとも言えるでしょう。
転職理由の内容
第1位:人間関係
薬剤師の転職理由ランキングの1位は「人間関係」です。薬剤師に限らず、どの業種でも職場での人間関係に悩んでいる方は多くいるものです。
薬局やドラッグストアで働く薬剤師の場合、特有のコミュニティの狭さに加え、忙しさからくるギスギスとした雰囲気や、ミスが許されない緊迫感があります。またチェーンを多く展開している会社では、統一するための規則や決まり事がより厳しく定められているケースも多く、それゆえ上下関係の厳しさが伴うケースも多いようです。
「店舗見学に参加した時は楽しそうな雰囲気だったのに…」「思っていたよりも風通しが悪いな…」「上司と反りが合わない」と感じながら働いている方も多くいるでしょう。薬局やドラッグストアはM&Aを繰り返して会社の規模を拡大している会社が多く、様々な会社が集合している為、店舗ごとに雰囲気の差がかなりあるのが現実です。そのため就職前の店舗見学で全容を知ることはかなり難しく、入社して初めて見えてくる部分が大きいのです。人間関係の悩みが大きくなると、「不満の蓄積」「精神的な負担」により仕事への意欲が減退し、やりがいも感じづらくなります。より自分に合った環境で働ける会社に転職することで、薬剤師としてより楽しく活躍できる可能性が広がると言えるでしょう。
第2位:年収が上がらない
・給料が高くならない。
薬剤師の平均的な給料は、他業界と比べて高めではありますが、転職理由として挙げる人は少なくありません。特に、友人や同僚と比べて、同じような業務内容なのに自分だけ給料が低い…といった場合に、給料UPを狙って転職を考える人は多いようです。初年度の月額は入社前に募集要項で知ることができますが、手当やボーナスの額、昇給率などは会社によって大きく差が出てくる部分です。ただ、ウェブや募集要項、口コミなどで調べるには限界があり、人事の方にも聞きにくい項目のため、入社後にこんなはずじゃなかった…と思う人も多いのが現状です。
給料は高いに越したことはありませんが、その分残業が多かったり、プライベートの時間がなかなか取れなかったりすると、全体的な満足度や幸福度が下がってしまうケースもあります。そのため、他の条件とのバランスや、自分が働く上で大切にしたいことについて、まずはしっかり考えると良いでしょう。その上で給料UPを狙うのであれば、あなたの経験や実績が評価された場合、前職よりも高い給料で転職できる可能性は大いにあります。(460)
・昇給が低い、評価があいまい、ボーナスが低い
昇給、評価、ボーナスについても、薬剤師が転職を考える大きな理由の1つです。
いくら最初の給与が高くても、その後の昇給額が少なければ結果的に生涯年収が周りと比べて下がってしまいます。大勢いる薬剤師を等しく評価するために一律の評価制度を設けている会社も多くありますが、薬剤師の仕事は数字のみでは評価しづらい傾向にあります。より患者さんにわかりやすいような服薬指導をしてるのに、それよりもたくさんの処方箋をこなした人の方が評価が高い、という事例もかなり発生しており、納得できない評価を生んでいるのが現状です。またボーナスに関しては、会社の業績に左右されるところが大きく、自分の頑張りに反して想定していたより貰えなかった…と感じるケースもあるようです。
昇給や評価、ボーナスがイマイチだと、一生懸命頑張っているのに薬剤師として評価されていない、見合った給与を貰えていないと感じ、モチベーションが下がりますよね。やはり同じ会社で長く意欲的に働く上では重要な要素と言えるでしょう。
給与に対する不満から安易に転職を決めることはベストとは言えませんが、自分の市場価値と現在の給与を照らし合わせ、より良いキャリアを築ける道が開けるのであれば転職を検討しても良いでしょう。募集要項だけでは把握しきれない情報を知るためにも、転職の際はぜひ専門のコンサルタントなどに相談をしてみてください。
第3位:勤務する場所が遠い、通勤に時間がかかる
薬剤師の転職理由ランキング第3位は「勤務地」です。
入社後の初期配属では希望の勤務地に配属してもらえたが、数年経って、会社都合での転勤や異動を余儀なくされるケースは非常に多くあります。心当たりのある方もいるのではないでしょうか?
会社としては、すべての店舗に人手が足りるように薬剤師を配属する必要があります。そのため働き手である薬剤師の皆さんと会社側で需要と供給が一致しない場合、希望しない転勤が発生するのです。家族のある方が転居を伴う転勤を言い渡されるケースも実際にあったりします。
また人手が足りない場合のヘルプが非常に多いのもこの業界の特徴です。理由はどこの店舗でも業務内容は同じであること、現状人手不足の店舗が慢性的に存在すること、です。近隣店舗へのヘルプもありますが、場合によってはかなり遠方まで行かなければなりません。車で2時間、電車で1時間半…等、慣れない環境で身体的精神的な負担がかかることは間違いありません。
このように、店舗異動やヘルプに伴う勤務地面の不満は多くの薬剤師から寄せられており、転職理由の中でもかなり大きな割合を占めています。「勤務地」という観点から、転職市場では狭いエリアに展開している地域密着型の会社に人気が集まる傾向もあります。
第4位:スキルアップしたい
・キャリアアップ、スキルアップをしたい
薬剤師のポジティブな転職理由として、キャリアアップやスキルアップが第4位にランクインしています。薬剤師として薬局やドラッグストアで働く場合、薬局長や店長になれるケースは多くありますが、それ以上のポストに就きたい方も少なくありません。しかし、会社によってはその上のエリアマネージャーやブロック長、または本部勤務から、一気に倍率が高くなったりポストが詰まっていたりして、思うようなキャリアを描けず苦悩する場合があります。また、薬剤師として専門性を磨いて成長したいのに、今の環境だと扱う科目の知識が身に付かない、教育体制がまったく整っていない等の理由から、転職を考える人も多くいます。
現職でキャリアアップが上手くいかないと、どこの会社も同じなんじゃないか…と考える人もいるかと思いますが、そんなことはありません。生え抜きが育ちやすい会社もあれば、中途入社が活躍しやすい会社もあります。スキルアップを狙う場合も、ご自身の高めたいスキルや学びたい科目を明確にすれば、転職で希望が叶う可能性は高いと言えるでしょう。
・仕事内容、やりがい
薬剤師の仕事内容、やりがいは働く上で重要な要素の一つであり、薬局、ドラック、病院などで人によって様々です。
主に「服薬指導で感謝される」「患者さんとの信頼関係を築く」「患者さんに合わせたOTC薬を選べる」など人と触れ合いコミュニケーションを取る場合が多いです。
しかし、働いてみるとそのような機会が少ないことを理由に辞める人もいます。
多くの転職を考える理由として「レジ打ち、品出し」「薬の管理をする為のパソコン業務」「機械的な調剤業務」など薬剤師である必要がない場合に多いようです。
やりたい業務が出来ないと、どこの会社も同じではないかと考える人もいるかと思いますが、そんな事はありません。
会社によっては「薬剤師にしかできない業務を行える体制を整えている会社」、「患者さんに触れ合いコミュニケーションを取ることに力を入れている会社」もあります。
そのため、ご自身のやりがいや希望する仕事内容を明確にすれば、転職で希望が叶う可能性は高くなるでしょう。
第5位:労働環境が悪い
薬剤師の転職理由として労働環境が第5位にランクインしています。労働環境は店舗によって違うため入社してみないとわからないのではないか?と考える人も少なくありません。そして入社してから「忙しすぎて勉強する暇がない」「休みが取りにくい」「残業が多い、残業代をもらえない」など労働環境に不満を持ち、辞めるケースは非常に多くあります。入社前は無いと言われていたはずのレジ打ちや品出しなどの重労働が課せられる職場もあり、もっと薬剤師の専門性を活かして働きたいと感じる方も多いようです。
では、本当に入社するまで労働環境について知ることは不可能なのでしょうか?
確かに職場の雰囲気などは店舗によってかなり差があります。しかし実は、労働環境に関しては会社選びの段階でかなり選抜することができるのです。理由は会社ごとの傾向があるからです。100%満足して働ける職場はそう多くありませんが、ご自身の価値観に沿って会社を選ぶことは可能です。
とは言っても薬剤師の方が働きながら転職活動を行う場合、転職活動に費やせる時間は限られていると思います。そんな時はぜひ専門のコンサルタントに相談してみましょう!ピンポイントでより精度の高い情報を集めることができるでしょう。
第6位:ライフスタイルの変化
薬剤師の転職理由として第6位にランクインするのが「ライフスタイルの変化」です。
人生を過ごしていると、結婚、出産、育児、親の介護など様々なライフスタイルの変化があります。
結婚や出産などのライフエベント、親の介護や育児など、私生活に合わせて勤務体系や勤務地を変えるための転職はとても多くなっています。薬剤師は国家資格で働く職業であり、共働きの時代と言われている現代社会においては特に、仕事とプライベートを両立しやすいと言えるでしょう。
とはいえ、薬局やドラッグストアでは店舗を豊富に展開している会社が多いこともあり、勤務体系や勤務地を絞ることで希望の店舗に配属してもらいづらいことがあるのも実情です。また現場の忙しさから、育休・産休制度を取得しても復帰しづらいことや、結婚相手の転勤についていく形で異動を出してもすぐに店舗の異動をさせてもらえず退職するなどの理由で転職する方も多くいます。
「長く働くことのできる会社」を選ぶためには目先の条件だけでなく、整備されている制度に関してや正社員とパートタイム切り替えについてなど、より細かな情報を集めることが必要と言えるでしょう。
今すぐ転職を考えるべき理由
このサイトをご覧になっている皆さんは、少なくとも今の仕事や職場環境に対して何らかの悩みを抱えているのではないでしょうか?「やりがいがあって楽しいが残業が多い」「人間関係は良いが仕事が辛い」など、そのケースは様々だと思います。
では転職するかしないか、どこで判断したら良いのでしょうか?それはその人の価値観によるでしょう。人はそれぞれ異なる価値観を持っています。やりがい、人間関係、ワークライフバランス…。どこを大切にするかは個人の価値観によるところが大きいです。やりがい一つとっても服薬指導にやりがいを感じる人、より多くの処方箋をこなすことでやりがいを感じる人など、個人の価値観は様々です。また人生における仕事の位置づけも、重要な価値観の一つであると言えます。
そのため、転職を考えているすべての方に、今一度、現在の自身を振り返り、自身の価値観を整理してみることをお勧めします。「自分の人生において大切なことは何か?」「仕事において大切なことは何か?」「どうキャリアを積みたいか」。そして、今の仕事でその価値観が尊重されているかどうか、考えてみてください。自分にとって大切な価値観が損なわれている方は、転職を考えることをお勧めします!
転職することによって、価値観に沿った働き方を得られて、より豊かな人生を歩める可能性が広がるからです。
転職では新卒の時と異なり、より仕事に対する意識や価値観が明確になっていることと思います。薬剤師の場合、どこの職場に身を置くかがご自身のキャリアにも直結していきます。今の仕事への満足度が低い方、ぜひ転職の機会を使ってより良い薬剤師人生を歩んでいきましょう!
まとめ
薬剤師が転職に至るまでの理由や背景をご覧になってみて、いかがだったでしょうか?
事実、様々な理由で多くの薬剤師の方が転職をしています。キャリアアップや環境の変化などポジティブな理由での転職もある一方、ネガティブな理由で転職する方もかなり多いのが現実です。転職自体はキャリア形成や自身の生活のために必要なことですが、短いスパンで不用意な転職を繰り返すことは、かえってご自身のキャリアに傷をつけることになりかねません。転職市場で損をしてしまうことも多くあります。
長い人生、楽しく働き続けるためにも、転職活動の際は慎重に。転職における目的や意志をしっかり持った上で、十分な情報収集、事前準備を行うことが大切です。
キャリアアドバイザー 南野
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