薬剤師が地方へ転職する前に知っておきたい!地方で働くメリット・デメリット

序文

今、地方勤務に興味を持つ薬剤師が増えています。通信技術の発達により、都心部にいなくてもさまざまなことができるようになったためです。

しかし、今まで都心部では働いていた方は「慣れた場所から離れるのは不安」と思いますよね。

そこで本記事では薬剤師が地方に転職する前に知っておきたいことをまとめました。ぜひ、ご覧ください。

地方の薬剤師の年収は高い? 

「地方に勤務する薬剤師は年収が高い」

このような噂を聞いたことがないでしょうか。一般的な感覚ですと、都心に近づくほど時給や月給が優遇されるイメージですよね。地方の方が待遇が良いなんてなかなか信じられません。

しかし、結論からいうと【地方に勤務する薬剤師は年収が高いというのは本当】です。実際に都心部の年収と比較しながら見ていきましょう。

①主要都市と地方の平均年収の比較

まずは都心部および主要都市における薬剤師の平均年収を見ていきましょう。

平均年収
東京都 522万円
大阪府 495万円
京都府 471万円

続いて地方都市における薬剤師の平均年収です。

平均年収
秋田県 651万円
島根県 596万円
鳥取県 592万円

*出典:厚生労働省《平成27年度賃金構造基本統計調査》

となっています。

表を比較してみると、主要都市だからといって薬剤師の年収が高いわけではなく、むしろ地方都市の方が待遇が良いことがわかります。

では、今度は都道府県別で平均年収TOP10を見ていきましょう。

順位都道府県平均年収
1福岡県658万円
2秋田県651万円
3群馬県623万円
4島根県596万円
5鳥取県592万円
6宮城県586万円
7富山県573万円
8高知県572万円
9栃木県570万円
10山梨県568万円

*出典:厚生労働省《平成27年度賃金構造基本統計調査》

意外かもしれませんが、東京ですらTOP10に入ってきません。ちなみに東京の順位は25位、大阪は34位、京都は41位という結果になっています。年収600万円を超える求人は地方では比較的多く見つけられるのに対し、主要都市ではそこまで多くありません。全体的な傾向として地方都市の薬剤師の年収は主要都市よりも100〜150万円高いところが多いのです。

また、地方都市は物価も安いことから生活水準を高いまま維持できるといった点も大きな魅力です。

②地方だからといって必ず年収が高いというわけではない

先述したように地方都市は平均年収が高い傾向にあるのは事実です。しかし、地方都市は必ず平均年収が高いわけでないということには注意しなくてはいけません。

今度は平均年収を低い順に見ていきましょう。

順位都道府県平均年収
38兵庫県483万円
39徳島県480万円
40愛知県478万円
41京都府471万円
42滋賀県465万円
43佐賀県461万円
44和歌山県455万円
45北海道453万円
46石川県450万円
47宮崎県418万円

*出典:厚生労働省《平成27年度賃金構造基本統計調査》

このように地方だからといって年収が高いわけではなく、地域差があることがわかります。転職活動を行う際はこの点に注意しながら勤務先を検討することをおすすめします。

では地域差はあるものの、地方の方が平均年収が高いのはなぜでしょうか?

地方の年収が高いワケ

地方に勤務する薬剤師の年収が高い理由には2つの理由があります。

・薬剤師が不足している

・地方の病院や薬局の売上が良い

一つずつ解説していきます。

①薬剤師が不足している

日本は少子高齢化が進み、2008年をピークに人口減少に転じています。しかし、人口減少といっても各都道府県が同じようなペースで減っているわけではありません。

人口は減少しているもののほぼ横ばいの地域もあれば、他の都道府県と比較すると早いペースで人口減少が起こっている地域もあります。さらに県内でも格差があり、一部の地域のみ人口が減っているというところも。

人口が減っている地域は若い人材が他の地域に流出してしまいがちになっており、薬剤師の確保が難しいという問題が発生しています。それが年収が高くなっている要因の一つです。

現実に2019年に人口が増加している都道府県(東京、沖縄、千葉、埼玉、神奈川、愛知、滋賀、千葉の7つ地域)は平均年収ランキングでいずれもTOP10に入っていません。

人口が増加しているため、薬剤師の確保もそこまで難しくないということが予想されます。

ちなみに人口減少率ワースト1〜3位は秋田、青森、高知です。平均年収ランキングでも秋田2位、青森12位、高知8位と上位になっていますね。

人口減少と薬剤師の平均年収は比較的関係があると言えるでしょう。

②地方の病院や薬局の売上が良い

もうひとつの理由は地方の病院や薬局の方が売上が良いという点です。

都心部や主要都市では、クリニックや病院、薬局の数が多く患者さんが分散しやすい傾向にあります。またかかりつけ医がいないケースも多く、場合によっては医療との結びつきも弱いかもしれません。

しかし、地方都市は病院やクリニック、薬局の数が少ない地域もあります。そのため、地域の患者さんとの結びつきが強く専門医に集中しやすいということがあるようです。

そのことが売上に繋がり、薬剤師の給与にも反映されるのです。また、患者さんとの繋がりが増える分、給与以外のやりがいも見つけやすそうですね。

地方で働くメリット・デメリット

ここからは薬剤師が地方で働くメリット・デメリットを解説していきます。

年収が高くなることは魅力的ですが、一方で地方に勤務することのデメリットも存在します。

メリットとデメリットをしっかりと把握した上で検討すると良いでしょう。

①地方で働くメリット

地方で働くメリットを一覧で見てみましょう。

・待遇が良い求人が多い

・患者さんとの関係が密になる

・仕事だけでなく、趣味も充実しやすい

・勤務先や自治体から引っ越し・住宅などの支援を受けられる

・地域の方とのつながりが増える

・四季を感じ、自然に囲まれた生活できる

・食べ物が美味しい

地方で働く大きなメリットはまず高待遇であること。特に人口が減少している地域では、薬剤師の確保が難しいことから年収が高い傾向にあります。地域によっては地方に引っ越す際の費用や住宅手当も受けられる可能性があり、薬剤師の存在が貴重な地域ほど、手厚い待遇を受けられるでしょう。都心で引越し費用の支援が受けられるケースが少ないことを考えれば、非常にありがたいですね。

また、都心では狭い部屋でもある程度の家賃がかかりますが、地方なら同じ家賃で倍以上の面積の部屋を確保することも難しくありません。広々とした空間で仕事の疲れをリフレッシュできるのも地方勤務の魅力の一つです。

患者さんとの関わり方にも違いがあります。

主要都市と比べ、患者さんとの関係が密になるのも仕事へのやりがいにつながりやすいでしょう。近隣に薬局や病院、クリニックがないケースでは一箇所に患者さんが集中するため、自然と患者さんの顔も覚えますね。

事務的な仕事ではなく、人とのつながりを大切にしながら働けるかもしれません。

仕事以外では、地域の環境そのものがメリットになることも多いです。自然に囲まれた地域で暮らすことで心がリラックスできます。食べ物も美味しく、アウトドア系の趣味がある方は充実した生活になりますよ。

このように地方で勤務するメリットは非常に多いものです。今後、さらに通信技術が発達してくるにつれ主要都市との差はなくなってくるかもしれません。

②地方で働くデメリット

今度は地方で働くデメリットを見ていきましょう。

・最新の知識を学びにくい

・キャリアアップしにくい

・選択できる職場が少ない

・娯楽施設が少ない

・学校の選択肢が少ない

・経験者でないと大変な場合もある

・交通の便が悪い

・生活面が不便

地方に住むデメリットでまず挙げられるのは、最新の技術を学びづらいこと。

通信技術が発展し、どこでも情報を手に入れられるようになったとはいえ、やはり主要都市との情報のタイムラグは存在します。技術の発展に伴い、日々さまざまな情報が更新されるなか主要都市と同じスピード感で知識を学ぶことは難しいでしょう。

それに伴いキャリアアップもしづらいというデメリットも。

新たな学びやキャリアアップの機会はどうしても主要都市の方が多いと言わざるを得ません。しかし、全国展開をしているような企業の場合は、地方の方が人材不足で困っているため、地方で働く場合には会社からの評価が得やすくなるケースもあります。キャリアアップを目指すにも環境や会社によっても差が出やすいのは否定できないです。

また、存在している病院やクリニック、薬局が少ないということは選択できる勤務地も少ないということです。

そのため、比較検討できる候補がそもそも少なく自分の希望にあった職場を探すのが困難な場合も。

最後に知っておいて頂きたいことは、地方勤務の場合、経験者でないと大変な思いをするかもしれないという点です。

なぜなら、年収が高く設定されている職場はほとんどが薬剤師不足であるため、様々な業務をこなせるだけの知識やスキルが必要になってきます。監査や服薬指導、患者さんの対応までオールマイティーにこなせる知識や技術を持っていることが望ましいでしょう。

迷っている薬剤師さんへアドバイス

地方勤務についてのメリット・デメリットを知った上で、「それでもなかなか決めきれない…」と、悩んでいる方も多いでしょう。一度、地方勤務を決めてしまうと地元に戻ってくるまでに時間がかかるケースも想定できるので不安になるのは当然です。

ここでは、地方勤務をしようかどうか迷っている方に対し4つのアドバイスをしたいと思います。

①主要都市から少し離れた場所で薬剤師を経験してみる

主要都市からそこまで離れていない地域への店舗へ異動して働く事も良いと思います。

主要都市でも地域によっては交通機関が不便であったり、地方に近い環境であったりするケースがあります。そういった店舗だと同じ会社でも人手不足のケースもあるので異動して、主要都市から離れた場所で働くことを経験することもできます。

働いてみると主要都市で働いているメリットを強く感じるかもしれません。まずはお試しで地方勤務に近い状態を体験してみるのもおすすめですよ。

②自分に所縁のある地域で働いてみる

自分に所縁のある地域で勤務するのもおすすめです。

子供の頃住んでいた、学生の頃に通っていた、など過去に経験のある土地で勤務することで安心感を得ることができます。

全く知らない土地で勤務するよりも、ある程度土地勘があったほうが変化も少なく慣れるまでの時間も短いでしょう。生活のイメージもつきやすく失敗のリスクを下げることができます。

③転職を希望している地域で趣味が楽しめるか検討してみる

あなたが趣味を持っている場合、その地域で趣味が楽しめるかどうかも検討してみましょう。また、勤務を希望している都市ならではの新しい趣味を発見してみるのも良いですね。自然が豊かなら登山や釣り、ランニングやウォーキングを楽しむことができますよ。

ある程度栄えているのならカフェ巡りや食を通じたコミュニティに参加するのもおすすめ。仕事以外にも楽しめる環境かどうかを確認してみましょう。

④事前の下見をしっかり行う

地方勤務をする前には下見に行くと安心です。職場はもちろんのこと、居住エリアや駅周辺も見ておくと良いですね。今ではネットである程度の情報を得ることはできますが、やはり自分の目で確認することが重要。

スーパーやコンビニの位置、駅近くにどんなお店があるか、交通機関の利便性はどうかなど細かなところまでチェックします。

そうすることで「こんなはずではなかった…」と後悔を防ぐことができますよ。

困ったときには転職コンサルタントに相談してみよう

自分でなかなか判断できない場合、転職コンサルタントに相談するのもおすすめです。

転職コンサルタントとは、転職をサポートしてくれるサービスのこと。企業の求人紹介や面接のセッティング、給与交渉などを行なってくれます。

この転職コンサルタントは毎年何人もの転職サポートをするため、地方に勤務する薬剤師の実情を常に把握しています。また、あなたの希望するものが本当に地方にあるのかも相談に乗ってもらえるでしょう。希望する土地の特徴や給与相場、最新の情報もチェックしているため転職コンサルタントに相談して損はありません。

基本的に無料で相談に乗ってくれるので一度連絡してみてはいかがでしょうか。担当者との相性が良ければ、そのまま転職活動をサポートしてもらうこともできます。

市販されている求人誌には載っていない非公開案件も多数存在するため、選択肢が広がる可能性も十分にあります。

勤務先との条件交渉もコンサルタントが代行してくれるため、転職活動を全て自分で行うよりもスムーズにことが運んでいくでしょう。

まとめ

薬剤師の年収は主要都市よりも地方都市の方が高い傾向にあります。

地方都市では人口減少の影響もあり、薬剤師を確保することが難しく好条件になっているところ多いからです。

しかし、地方勤務にはメリットだけでなくデメリットも存在します。選択できる職場が少ないことや業務の幅が広いことなどがデメリットとして挙げられるでしょう。

もしも主要都市の勤務か、地方都市の勤務かで迷っているようなら転職コンサルタントに相談してみてはいかがでしょうか。

ヤクマッチは、薬剤師の転職に特化しているだけでなく、薬剤師免許を持ったスタッフも多数在籍しているため、地方勤務を希望する場合でも職場探しをしっかりとサポートすることができます。

「一度地方勤務について相談したい」と思っている方はぜひ、お問い合わせください。

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